エンドロールに向けて

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その本が外国の言葉が入っていたので、解読の為に、その国の言葉を勉強した。 その本を読むためだけに中学の一年間は終わる。 本を読み終えて専門用語に引っ掛かる。 化学式に手が止まる。 化学式、専門用語を覚える為に本を買い漁る。 すぐに忘れてしまうから借りて来た本では駄目で、小遣いは本に消えた。 分厚い本やら、外国の取り寄せなど、高価な買い物をした。 書き続けたノートは何冊も積み上がる。 植物、生物、微生物図鑑、ひとつの図鑑だけで世界にはこれ程種類があるのかと驚いた。 小遣いでは足りずに高校生になると同時にバイトをした。 受験など、私の野望の前には小さな関門でしかなかった。 気が付けば1番近い学校を選んで受験を終えていた。 バイトと野望の日々。 5年を費やした野望がもうすぐ実るのだ。 「胸踊る!!」 「最早、私に敵はいまい!」 この部屋で静かに実験を繰り返す為に、高校は大人しく通っていた。 目立つ事もせず、普通に…。
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