途中経過

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高校2年も終わりの冬休み、担任に呼ばれる。 「は?論文スピーチ?英語で?私がですか?」 「そうよ?どうしたの?そんな不思議な顔して…。」 いやいやいや……。 先生の言う事が理解不能だよ。 英語で、論文?冗談でしょ? と、心の中で思う。 「ほら、これ。夏休みにあなたが自由研究で出した植物に関する論文。 抜粋したの英語でしょ?これをそのまま英文にして、論文として発表しないかなと思って。」 「ええ………遠慮します。それはあくまで自由研究です。私の研究のほんの一部分です。発表など、とんでもありません。」 はっきりと断った。 野望までもう少し……。 高校3年……。 夏休みに全ての材料が揃い、部屋で怪しい作業を開始した。 公式を駆使して、長い間の努力である日本語ではない本を読みながら、沢山の薬品を調合する。 気分は「魔女」 「妄女」が「魔女」か……。 「ふっふっふ………受ける………。さて、この計算で行くと……後はこれを………満月の下に照らして………。」 仕上げはもうすぐ……楽しみで仕方がない。
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