第8話《宝物殿の守護者にインタビュー》

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まあ、まず、他の方々が宝物殿の場所を見つけ出すことは不可能でしょうとも。 例え超一流の冒険者でも見つけられはしませんわ。 そもそも冒険者風情が魔王城に容易く侵入なんぞできませんがね。 なので探索なんてもってのほかですわ。 更に述べるなら私を付け回しても無駄ですしね。 私は何処にでも在る影を通じて移動する術を心得ていますので、尾行は不可能ですわ。 二次元の影と影を繋いで別の場所までの四次元トンネルを作ることができますの。 そのトンネルを使用して私は秘密の宝物殿まで移動しているのです。 私はこうして何万年の間に渡り宝物殿を守護し続けてきたのですわ。 旦那様にすら宝物殿の在りかを内緒にする訳には理由がございます。 魔王様によっては無駄使いの激しい御方もおりましたゆえに、世界征服の予算はきちんと管理しておかないといけないのです。 そうしないと予算オーバーで魔王城の運営に大きな影響が及びます。 世界征服達成目前で魔王城が経済破産したら自滅ですからね。 それを防ぐのも私の役目でございますわ。 まあ、今のところは潤沢な予算が貯えられておりますゆえ、御心配はございません。 六代前の魔王様が大変な守銭奴でございましたから貯蓄は万全ですわ。 え、六代前はどのぐらい貯め込んだのかですって。 それはもう数回に渡って世界征服が可能なぐらいに多額です。 代々の魔王様と比べますと、平均値の50倍と言ったところでしょうか。 それはもう世界中の村や町、国と言う国から掠奪を繰り返して集められた金銀財宝ですから。 まあ、よくもここまで掠奪が出来たと思うぐらいの量でしたわ。 ですが、魔王様によっては浪費ばかりで稼ぎが少ない魔王様も居られましたから平均的な数字との比較でしかありません。 しかし、その金額は、まさに巨額で莫大と言えたでしょう。 なので、この度の旦那様は、金銭的には問題が無いかと思われますわ。 まあ、旦那様は、あまりお金には疎く、金銭欲も少ない様子ですから心配無いかと――。 ただ、気に入った側近の方々に大盤振る舞いでマジックアイテムを差し上げる癖があるのが少々心配なところですわ。 宝物殿には、お金で買えないレベルのマジックアイテムも多くございますからね。
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