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現在のところ近衛隊と成られている6名が魔王城を初めて訪れたのは、わたくしの息子であり親衛隊の隊長を務めているシュナイダーめと魔王様が戦ってから3日が過ぎた頃でございました。
魔王様は退屈していたのでしょう。
闘争の飢えに渇き、対戦者を望んでいたのでしょうな。
わたくしと戦ってから4日を待たずに息子シュナイダーに喧嘩を売ったぐらいですから、闘争心のみが本能なのでしょう。
趣味であり、最大級の快楽なのでしょう。
魔王様は、そう言う御方です。
わたくしもコテンパにやられましたから、骨身に染みております。
魔王様はお強すぎます。
なのに慈悲深い。
新魔王降臨を一早く察知したわたくしは我先に魔王城に参上して、魔王様が望むがままに戦いを挑みました。
わたくしめの目的は魔王様の実力を計ることでしたので、戦いに成ったのは好都合でした。
そう、試したのです。
この度の新魔王様が、忠誠を誓うだけの存在か、支えるだけの価値があられるか―――。
えっ、それは聞いたって……。
ああ、その時の話は以前にインタビューされてますね。すみません。
―――ええっと、そうだそうだ、近衛隊の話でしたね。
話が逸れてしまいました。戻しましょう。
では、改めて近衛隊のお話をいたします。
彼ら6名が同時に魔王城を訪れたのは偶然だったと申しておりました。
元々は魔王城近隣出身が多かった為に、タイミングが一致したのでしょうね。
新魔王降臨の噂もほぼ同時に聞き付けたのでしょう。
だから偶然の同時訪問だったと申しておりました。
そして謁見を希望する猛者たちを魔王様は、期待を込めて城内へと通したのです。
最初っからやり合うつもりでね。
その時の状況をどのぐらい覚えているかって?
んーん、覚えていますが説明が難しいですね。
わたくしは解説が不得意でございまして……。
そうだ、この話を聞きたくば、娘のイグニットに訊けば良いでしょう。
あの子は記憶力が優れており説明能力にも長けておりますから、適任だと思われます。
何より近衛隊の6名との対戦を魔王様の傍らで見ておりましたしね。
今、娘のイグニットを呼んで参ります。少々お待ちあれ。
…………………。
…………。
……。
…………………………………………………………………………………………………………………………………。
すみません。ただ今イグニットは魔王様と外出中でございました。大変申し訳ありません。
困りましたね。これではあの時の話が出来ません。
仕方ありませんね。わたくしで良ければお話ししましょう。
先程も申した通り余り話は得意でないので解説が至らなくてもお許しくださいませ。
では、あの時のお話を開始しましょう。
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