第10話《来訪者に付いてインタビュー》

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場所は魔王城の謁見室でした。 魔王城周辺の町や村からやって来た猛者6名。 彼らは玉座に鎮座する魔王様を前にしても膝ま付くことなくふでぶてと立っておりました。 その無礼な態度に息子シュナイダーが癇癪をおこして怒鳴り付けましたが、6名は態度を改めることなく述べたのです。 「魔王と聞いたが小さいな」 言ったのはトロール族の戦士ゴリアテ。 「頭も良さそうじゃないしねぇ~」 続いて述べたのは、ヴァンパイアの貴族ダヴィンチ伯爵。 「何よりサァ、半裸だベサァ」 方言の強い口調で述べたのは沼地のリザードマン族の英雄バイエン。 「パンイチで玉座に座っているよ。がっはっははは。面白いやつだな」 笑いながら述べたのはオーガ族のチャンピオン・アレックス。 「…………」 ただ黙って立っていたのは、リビングアーマーのサクラダファミ・リカ。 「恥ずかしく無いのかしら」 そして最後に揶揄していたのがバーバリアン族の女性戦士、現在の近衛隊長であるメリル・ダリル氏でありました。 完全に無視されたシュナイダーが更に「無礼だぞ!」と恫喝同然の怒鳴り声を上げましたが、尚も6名は息子を無視しずづけました。 まるで眼中に入らないと言った感じでね。 さぞかしプライドが傷付いたことでしょう。 魔王様が静止しても納得が行かない表情を続けておりましたからな。 まったく情けない息子でございましょう。 魔王様の前で取り乱すなんて、まだまだ精神修行が足りてない証拠ですな。 あやつは幼少期から何も成長しておりません。 ただただ子供のままなのです。実に情けない。 情けなくって父親として死にたい思いですぞ。 ―――ああ、また話が乱れましたな。 申し訳ございません。 脱線する癖がわたくしめの悪いところでございます。 そのせいで何を話してるのか分からないと娘にもよくいわれております。 ああ、話を戻せと―――。そうですね。 まあ、彼ら6名の狙いは、完全に魔王様一人なのです。 魔王城の親衛隊長ですら小者扱いですからな。 恐れを知らないやからでございましょう。 魔王様が気に入りお側に置きたがるのも理解できます。 そして、謁見室で猛者6名と魔王様の熱いバトルが開始されます。 しかも連戦でございました。 とてもとても見応えがある戦いばかりでした。 特に最後に戦ったメリル・ダリル隊長との攻防は、魔王様ファンの思い出に残る名シーンと言えましょうぞ。 それだけ堪能できるファイトでした。 ―――おっ、どうやら娘のイグニットが帰って来た様子であります。 では、話すのを代わってもらいましょう。 ただいま呼んで参ります。
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