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(まるで『壁』だ)
いらないものでぐるぐると周りを囲み、大切なものを内に丸め込んでしまう。
大事なのは中身だけだ。下町はあくまで「上」を守るための、薄っぺらい壁のようなモノ。ここはおそらく、そういう場所なのだろうとリオは解釈していた。
ルーティン国は身分制度の厳しい国だ。物事は高層の人々のために動く。自分たち低階級の人間が入り込む隙など少しもない。そういう国である。
生まれ落ちてしまったその時から身分に縛られる。生まれ落ちた、その身分で何とか生きていかなければならない。這い上がることは難しい。
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