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「ひょっとして、調査依頼が来てたりするの?」  リオが言いながら手際よくテーブルに料理を並べていく。いいや、と親方は首を振った。 「そうだな、流石にこう何人もやられてるんだ、そろそろ来る頃合いだろうなぁ」 「忙しくなりそうだね」 「痛ましい事件だが稼ぎ時ってこった」 「不謹慎だね」 「死人は何も言わねぇからな」  親方はまた声をあげて笑って、リオもはやく座れと促した。 「さてちゃっちゃと朝飯食って仕事するか」 「準備したの僕だよ」 「いつも感謝してる、ありがとうなぁ」 「親方のありがとうは誠意がないんだよね……よくこれまで生きてこれたね」  親方がその話はやめだと言わんばかりに手を打ち鳴らした。 「とっとと食え」 「はいはい」  リオは呆れたように笑みをこぼした。
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