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「副部長ぉー、俺たち最後の新聞だしさ、人物紹介は毎年恒例の〝新聞部三年生の秘密の告白〟でいいよな!」
カラカラと笑いながら、加賀美の滑らかなタイピング音が室内に響く。
冗談じゃない。何が楽しくて自分の秘密を晒さなきゃならんのだ。
「は? やだよ、自分の事話すとかパンツ見られるより恥ずかしいわ!」
撮りためた写真を長机に並べてながら、次はどの空にしようか思案する。
すると背後からぬっと伸びた長い指先が、私の頬に触れ、強引に顔を右へと向かせる。
「は!?……ちょっ、加賀美っ」
目の前にはご自慢の高い鼻。爛々と光る二重の瞳。上唇をペロリと舐める姿に身震いする。
まずい、変なスイッチ入ってる。
「お、お、落ち着け加賀美! お前の目の前にいるのは女ではない!」
「ほほぉ。とりあえず秘密の告白は特別に免除してるやるよ。その代わり、その神秘に輝く紺色のベールを俺が捲ってだな──」
「いっぺん死んでこい!」
変態スイッチは、パンツかよ。
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