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静寂の闇夜に私は転げるように飛び出し、
携帯を取り出す。
闇が深い。
ぬめるような闇が四肢にからみつく。
何も見えない。…まずい。
「拝み屋を、拝み屋の吉祥を頼む。」
「あ、フジワラ先輩!どこで飲んでんすか!俺も前乗りすれば良かったな~w」
ふと吉祥の人懐こい微笑みが脳裏にかすむ。
これが最後でなければ良いが。
「吉祥、明日の午後2時までに福井まで来られるか。」
「何言ってんすか、最短でも5時過ぎるって言ったっしょ。」
「すまん、事前に牛頭の様子を伺おうと思ったんだが…憑けられた…あと12時間しかない。」
そう、私の命は明日の午後2時までとなってしまった。
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