厄神蒐集家 (1)〜越前呪い旅

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静寂の闇夜に私は転げるように飛び出し、 携帯を取り出す。 闇が深い。 ぬめるような闇が四肢にからみつく。 何も見えない。…まずい。 「拝み屋を、拝み屋の吉祥を頼む。」 「あ、フジワラ先輩!どこで飲んでんすか!俺も前乗りすれば良かったな~w」 ふと吉祥の人懐こい微笑みが脳裏にかすむ。 これが最後でなければ良いが。 「吉祥、明日の午後2時までに福井まで来られるか。」 「何言ってんすか、最短でも5時過ぎるって言ったっしょ。」 「すまん、事前に牛頭の様子を伺おうと思ったんだが…憑けられた…あと12時間しかない。」 そう、私の命は明日の午後2時までとなってしまった。
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