金色

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双子でもなんでもなかったが、私と智美(ともみ)はよく似ていた。そして、よく似ているねと言われたことはない。 意志の強い眉と、それでいて、車窓から遠い雲を見ているような瞳が印象的な子だった。そういう雰囲気が私とは違っていたのかもしれない。 思い返せばいつも一緒に居た気もするし、大事な時だけだった気もする。少なくとも私が何かを決める時、私達は隣に並んだ。 進学先から今日のお昼ご飯まで何も決められない私は、いつも智美に頼りきりだった。別に彼女が答えをくれるわけではない。私を探ってくれるだけだ。 初めは直接的な質問ばかりくれた。「こっちを選んだ時のメリットは何だと思う」とか「もしもこっちを選べって強制されたらどんな気持ちになる」とか、「Aランチは昨日の夜ご飯と被るんじゃない」とか。 半分カウンセリングみたいな会話を重ねるうちに、智美といるだけで少しずつ、色んなことが分かるようになってきた。例えるなら歳をとるにつれ、あと何時間でお腹が空くか察せるみたいに。 彼女の質問もだんだん曖昧になった。そのうち喋るのは殆どが私になって、智美はずっとそれに相槌を打っていた。私の英断を肯定するように、頷きながら。
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