お前とやり直したい

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『やっぱり俺、お前が好きだ。一緒にいて退屈だなんて、とんだ勘違いだったよ。そんなことで浮気して別れるなんて』 退屈だった? 今初めて聞いた理由だよ、それ――! 新たな衝撃に耐えられず、私はその場にしゃがみこむ。 時郎の新しい彼女は、お洒落で美人で刺激的で、いい女。お正月の、初詣での帰りに寄ったコーヒースタンドで、私の心を蜂の巣にした時郎の言葉たち。 トドメをもらった衝撃に、耐えられなかった。 だけど、そんな私に気付かず彼は言い募る。 『悠美の優しさが好きなんだ。別れてから気が付いた。頼む、もう一度やり直させてくれ!』 「……」 必死の訴えに、衝撃が和らいだ感覚。 私は立ち上がり、再び歩き始めた。
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