雪かきとデートの誘い

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思い巡らせる私に、小島さんはますます体をくっつけてくる。仕事に戻らなくても大丈夫だろうかと、ちょっぴり心配になった。 「それでね、昨夜はあなたにぺらぺら喋りすぎちゃって、パート頭には叱られたけどね、仁科さんは構いませんよ~って許してくれたのよ、うふっ」 仁科さんが民宿のオーナーになったいきさつの件だ。言われてみれば、客に提供するにしては、かなり個人的な話題である。 (でも、そうか。構いません……か) ぽっと、胸の奥に灯りがともった。 小島さんは至近距離から私を見詰め、さらに何か言いたそうにするが、他のお客さんに呼ばれたので、名残惜しげに側を離れた。 私はテーブルの上に視線を戻す。焼き魚や卵焼きといった定番メニューを前に、箸を手にしたまま考えた。 仁科さんは私の来訪について、お見合いと認識しているようだ。昨日からの態度で、それは分かっている。小島さんのお喋りも、自分について知ってほしいから、話しても構わないと言ったのだ。 ということは…… 私は茶碗をいきなり掴み、はしたなくもご飯を掻き込んだ。炊き立てつやつやの美味しい白飯だ。おかずにも箸をつける。特別珍しくもない料理だけど、どれも私好みの味付けであり、皿がすぐ空になった。 仁科課長が企んだ、お見合い計画。進めてほしいと、彼は思っているのだろうか……  
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