雪かきとデートの誘い

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部屋に戻ると、窓の障子を全開にした。 外は晴れ渡り、とても明るい。降り積もった雪が太陽の光を反射して、まさに白銀の世界だ。 「ああ、なんて眩しいの」 まぶしすぎて、目を閉じる。瞼の裏に、先ほどの場面が残像のように浮かんだ。 信じられない。この私が積極的に、しかも昨日会ったばかりの男性をデートに誘うなんて。仁科さんは目を丸くしたが、「はい、ぜひお願いします」と、快諾してくれた。 「断られなくて良かった……」 障子を閉めて、部屋に向き直る。 朝食の間に布団が片付けられ、部屋の中央に小さな炬燵が設置されていた。昨日は部屋の隅に立てかけてあった気がする。 「嬉しいな」 アパートの部屋にも炬燵を置いてある。去年は出さなかったけれど、今年は年が明けてから使い始めた。 そう、時郎と別れてから。 ――田舎染みてる。 それが、私の部屋を訪れ、炬燵があるのを発見した時の、彼の感想だった。
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