雪かきとデートの誘い

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夕暮れ迫る頃、銀嶺に戻ると仁科さんが雪かきをしていた。通りから彼の姿が見えた時、なんとなくホッとした。 「でも、どうして雪かきを? 今日は雪が降らなかったのに……」 不思議に思いながら「ただいま」と挨拶をすると、彼はパッと振り返り、 「おかえりなさい。冷え込んできましたね」 マスクの顔で、微笑んだ。 私が玄関に入ると、彼もすぐに入ってきた。 雪かきは終わったのかなと、ふと考え、あれっと気が付く。今朝、小島さんが言っていた。 ――楽しそうだからいいのよお。 こんなタイミング、そうそうあるだろうか。 もしかして…… 「そろそろ私が戻る頃だと、分かりました?」 「うっ」 仁科さんは長靴を脱いでいたのだが、片足立ちのままずっこけそうになった。動揺があからさますぎて、こちらが照れてしまう。
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