聖典

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聖典

それは、ほかの本とは明らかに違う。 読んでみると、不思議な感覚にとらわれる本だった。 はじめにあった神の話。 人々の住む大地を支えるため、はじまりの神は天使を介して五柱の神を遣わしたこと。 その名くらいはシルヴィンら人獣にも伝え聞かれていた。 しかし不思議なものだ。 そこには、 「かつて人と獣は一つであった」とある。 また「神の光はその両者に等しくふり注がれた」とも。 これほど篤くこの本に書かれていることを人々は敬っているはずなのに、 まったく現実の世界がそうなっていないのは何故なのだろう?
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