第1話 終わりと始まり

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桜が満開になりお花見の季節になった頃、住宅街のとある家でカーテンを閉めきりパソコンの光だけが付いている部屋で1人の青年がゲームをしていた しかし青年はいきなりパソコンを置いている机を叩き大声を張り上げた 「くそ!なんで、なんで・・・なんでサービス終了しちまうんだよ!?」 名前は日比野(ひびの) 雄也(ゆうや) 現在22歳で絶賛自宅警備中だ 容姿は上の中程、身長は175cm、体重68kgで体は筋肉質だ 余談になるが何故ニートにもかかわらず、それなりにイケメンで筋肉が付いているのかというと、雄也は毎日自転車で隣町にある銭湯に行っている 何故自転車なのかというと電車代が勿体ないからだ 親は不動産を営んでいたが数年前に2人とも事故により他界 莫大な資産約5億円を遺し逝ってしまった 雄也は資産だけで生活をしなるべくネトゲだけに費やした 水道代はトイレのみ、電気代はパソコンのみで生活している したがってなるべく金を使わないように移動は全て自転車にしている お陰で体は引き締まっている 顔は少しの努力と遺伝だ 雄也自身は不潔なのは嫌いなのでシャンプーとボディーソープ以外にもきちんと洗顔料を使っている お陰でニキビなどの肌荒れは無い 更に両親の顔も整っており、雄也がイケメンになる事は約束されていたも同然だった 閑話休題 パソコンでしていたゲームは『ヴェノムフロンティア :The End《以下フロンティア》』というMMORPGだ このゲームのキャッチフレーズは『まだ誰も見たことのない冒険へ』 キャッチフレーズも内容もありきたりな王道MMORPGだが最近異色なRPGが増えたお陰でこの王道を真っ直ぐに突き進んだゲームはバカ売れした 一時期は総プレイヤー数が全世界10億人にもなった しかしそんなゲームも今ではサービス終了にまで追い込まれた 確かに総プレイヤー数は500万人にまで落ち込んだと言えども残っているプレイヤーの7割は月約3万以上課金する課金プレイヤーだった 雄也も例外ではなく親2人が雄也に遺した総資産額5億円を使い月約5万程を課金に使いプレイしていた 雄也はフロンティアに命をかけていた フロンティアがサービス開始した約10年前、雄也はすぐに面白さに気づきのめり込んだ 学校でいじめにあい引きこもりがちになり、フロンティアにのめり込むと高校へは行かずすぐにニートになった しかし永遠に続くと思っていたフロンティアは呆気なく終了を迎えた サービス終了まであと1時間、今まで共に戦ってきた仲間たちと別れの挨拶をしていた
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