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第二話 死神は微笑む:前編
──21:00──
──新宿区内──
朔夜は地図を見ながら歩いていた。
「ここが、喫茶店’’le ciel’’か…」
彼は今、新宿にある喫茶店’’le ciel’’の前に立っていた。
赤のレンガに、金縁の緑看板が下がっている。
彼の手にはボストンバッグが握られている。その中身は、銃器や銃弾、爆弾の類が詰まっている。
「こんな洒落た店が奴等・・・いや、俺達の基地とはね・・・」
そう呟きながら、ドアノブに手をかける。
金属の軋む音を立てて、扉が開いた。
何ら変哲の無いただの喫茶店だ。
木目調の内装に、ジャズの音楽。
確かに、人が落ち着ける場所だ。
しかし、俺は和みに来たのではない。
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