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それからしばらくしてちせは懐妊した。
月満ち足りて無事男の子をあげた。
幼名は幸太郎とした。どうしても幸せという字をつけたかった。
母の喜びようは一入であった。
父上の墓前に長く報告をしていた。
ちせにも深々と頭を下げた。
この家を次の世につなげる事ばかりを考えて、ちせには酷い事を言いました。許しておくれ。
それから一年後母が倒れた。
医者が今晩が、と告げた。
医者には次の間に待機してもらい、新之助とちせ、幸太郎だけが枕元に座った。
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