昨日の約束

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昨日の約束

 指切りげんまんまた明日  昨日の約束は果たされなかった  砂場には片方だけの赤い靴  あの子のだろうか  違うだろうか  大きなトラック停まっていて  あの子のクマさん運んでいた  僕はどうしてと不思議に思い  家から出てきたおばさんに聞いた  お出かけするの?  そう、お出かけよ  あの子も行くの?  そう、行くのよ  それなら今日は遊べないや  がっかりしてたらあの子が出て来た  おばあちゃんの家に行くのよと  笑って言った  笑って言った  すぐに帰るの?  ええ、きっと  明日は遊べる?  ええ、きっと  指切りげんまんまた明日  車に乗ってあの子は行った  クマさんと一緒にいなくなった  家の灯りはついているのに  あの子もおばさんもいなくなった  約束をした右手が冷たい  僕はスープみたいなオレンジ色の空の下で  忘れられた赤い靴と夜を待っている  誰も乗らない空っぽのブランコが  ギイギイとあの子の名残を乗せて  いつまでもいつまでも風に揺れていた
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