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「陽ぃ落ちんの、ちょっと早くなってきたよな」 「おう、もう夕焼けだもんな」 ビール片手に、凪いだ海が 夕焼けを映すの見る。 水平線上の 太陽に向かって 一面のオレンジの中に 輝く光の道が出来ている。 潮の匂い。オレンジ雲の合間に、黄色やピンク 水色が溶け合って、空は 藍に続く夜の色に深まっていく。それでも うたかたの波打ち際は白い。 こんな時に、海に 来ちまったんだぜ。 召喚部屋で眼を覚ますと ゾイが、全員分の弁当を持って来てくれてて 『うわ、マジで?!』『ありがとうな』って 食いながら『ミカエルは?』って 聞いたら 『月夜見命(つきよみのみこと)と、天に話しに行ったよ』って。 あれから 月夜見(キミサマ)とスサさんは、その足で 高天原に昇り 天狗の報告をして、姫様の封鏡を預けると、 スサさんは、二の山の蛇里に行っちまって 月夜見は 榊を呼んで、里に降りた。 で、ミカエルも里に喚ばれて 話し合い。 この間に、ゾイは 沙耶さんの店に戻って 弁当作ってくれたらしいんだけどー。 月夜見は、アマテラスさん直筆の書状 ... アバドンに取られた “天狗を返せ” っていうやつを持ってたから、とりあえず 先に ミカエルだけが 第六天(ゼブル)に昇って、話を通して。 また里に戻ると、ゾイから弁当受け取って 月夜見連れて、エデンから 天に昇って行った。
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