トライアングル~金城~

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トライアングル~金城~

例えば、新雪のように純白な君の心とか。 例えば、枝毛の一つも無い真っ直ぐに伸びた君の髪とか。 例えば、幼子が遊ぶ人形のような大きな瞳とか。 君の美貌や言動は、僕を狂わせるには十分過ぎる位、魅力的なんだ。 「金城君っ!」 ほら、その振り向いた時の屈託の無い笑顔。 本当に狡い人だよ、綾間さんは。 「どうしたの、綾間さん。」 「私達って三年間一緒じゃない?」 「そうだね。」 確かに僕と綾間さんは、高校生になってから三年間、同じクラスだ。 未だに顔もまともに見れないけど。 「そろそろ、名前で呼ばない?」 「……無理。」 だって、そんなに近付いたら、僕はきっと勘違いしてしまう。 「そっか……ごめんね急に!」 「いや、別に大丈夫……。」 綾間さんは、最近噂されている男、小早川藍人の所へ行ってしまった。 自意識過剰かもしれないけど。 ……少しだけ、少しだけ、寂しそうな表情を残して。 「藍人、一緒に帰ろ?」 「……ああ、良いよ。」 教室の前で繰り広げられている、カップルらしい会話。 「っ……。」 きっと、これが綾間さんにとっての幸せ。 そして、綾間さんの幸せは、僕の幸せだ。 「でもっ……。」 何故だろう。 涙が、こんなにも溢れだしてくる。
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