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ラダミアの憂鬱
私は魔王補佐官デイジャ・ラダミア
新しい魔王様をベットへと運び終わった。
なぜ、魔王様はスライムという名前を言っただけで発狂し、泣いてしまったのだろうか?
これだけが疑問に残る。
今まで、幾度となく魔王をやめる人がいるのはまぎれもない事実しかし、モンスター、いやスライム如きに臆してしまう魔王様など聞いたことがない。
私の代になっても見たこともない。
このケースは初めてだ。
私の心は左右に揺れる。
魔王様に素直に質問すべきか、魔王様に聞かないべきか…補佐という役目よりも先にそれを迷ってしまう。
あれ?おかしいな…こんな事で私が迷ったことなど有りはしなかったのに……
人間というものをネット配信化で知ってから、情というものが移ってしまったのだろうか?いやそんなはずはない。
私はもともと、補佐のためだけに生まれたモンスターなのだから。
冷酷にそして率直に、魔王様に従っていればいい。
そして、新しい魔王様をお迎えし、魔王になるということの意味と最近の事そして、ダンジョン経営の仕方について教える事なのだから。
でもやっぱり、下等なスライムで臆するのは
おかしい。過去に何か抱えているのかもしれない。あくまでも、推測なのだが。
どうしたものか…私は迷いに迷った挙句……
他のモンスターやエリアボス、今では友好関係に値する勇者パーティーなどにも聞いてみようと思った。
決まれば行動。 必要最低限の荷物をまとめ
魔王城を出た。
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