* Sweet.2 *

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* Sweet.2 *

──かぼちゃコロッケと卵焼きと、さつまいもの甘露煮……うまかったなぁ。 昨夜食べた惣菜の味を思い出して、まだ2限目だというのにお腹はきゅるきゅると鳴った。 売り物なのだから、また食べたいと思うくらい美味しいのは当たり前なのだけれど。 ──茅野は毎日、あんなに美味しいお弁当食べてるんだよなぁ……羨ましい。 甘いデザートの妄想から、かやのやの惣菜にシフトしただけで、授業中の過ごし方は特に変わらない。 上の空でも起きているなら注意もされず、適当に黒板の文字をノートに書き写した。 やっと退屈な時間が終わって、次の授業を確認したところで夕里はさっと青ざめる。 「ゆうちゃん次の時間体育だよ。遅れたらグラウンド1周増えるんだから、早く早く」 「さ……先行ってて。ちょっと隣の教室行ってくる」 ──さ、最悪っ! 体操着持ってくるの忘れた……。 見学する場合、500文字の見学レポートを提出しなければならない。 勉強嫌いな夕里は何としてでもそのレポートを回避したくて、体育の授業から帰ってきたばかりの隣のクラスへ向かう。 「九重くん可愛いー」とマスコットキャラの来訪を歓迎する声を受けながら、夕里は一直線に唯一の知り合いの机を目指した。
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