従兄弟編

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あれから一年後、真紀から子どもの写真が送られてきた。 つかまり立ちをしている。年齢相応の発達に胸を撫で下ろした。 発達障害かどうかは、育ってみないとわからない。生まれたときの酸素の欠乏が脳に悪影響を及ぼしたのかもわからない。真紀はいま、不安だらけの子育てをしている。 私ができることといえば、たまに励ましてやることくらいだ。 半年前、真紀から、BCGの副反応について聞かれた。あの赤い腫れ上がりを見れば誰だって不安になるだろう。もしかしたら、真紀は正常だと知っていても、旦那さんか、姑さんから何か言われたのかもしれない。 私は、うちの子のときもそんな感じだったとメールを返した。 私ができることは、そんなささやかな励ましの言葉あに、祈りを込めることだけだ。
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