ずっと欲しかったもの

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希さんの身体をベッドに優しく寝かせ、上からもう一度唇を重ねた。触れ合う全てが柔らかくて愛おしい。頭から足先まで身体中が痺れて、ベッドの上で夢中でキスを交わした。私の身体にしがみ付く腕が背中を撫で回している。 舌を絡め合い、服の上から胸を包み込むようにして指先で頂点に触れた時、希さんの身体がピクッと反応を見せた。 重ねた唇を離し、頬へ、首筋へ、もっと下へと移動させていく。そっと肌に吸い付き、指先がそこを掠る度に甘い声が漏れ、その声が更に私の気持ちを昂らせていく。 「ん……。希さん、好き……」 「うん。ごめん……、ごめんね那央……」 肌に唇で触れながら、服のボタンを指先の感覚だけで外し、服をずらして柔らかい胸に舌を這わせた。私の頭を抱え込む腕が少しずつ締め付けられるのを感じる。 そして頂点を口に含んだ時、その身体がさっきよりも大きく跳ねた。 「あ……、那央……」 お互いの乱れた息遣いと、時々漏れる甘い声だけが部屋の中に響いている。 普段の希さんからは想像できない乱れた姿に、私の欲望は膨れ上がって止まらなくなった。 「もっと触りたい……」 「うん……。好きなようにして……」 私の指先は誘導されるように身体を伝い、下へと移動する。希さんは私を求めて必死に縋り付いてくる。 ずっとこうしてくれるのを望んでいた。 こうやってなりふり構わず私だけを求めて欲しかった。 感極まって涙が溢れてくる。 「だめ……、私、もう……」 希さんは私にしがみ付いて身体を震わせ、声を抑えて私の腕の中で果てた。その瞬間、私の頭の中も真っ白になった。 少しの間、汗ばんだ肌を上から重ねたまま動けずにいた。希さんに体重を預け、呼吸が整うのを待つ。 「……那央、優しいよね」 「え? ……そう?」 「ちゃんと気遣ってくれてるの分かったよ。本当に愛されてるんだなーって……」 「だって愛してるもん」 触れられなくてもここまでの満足感を得られるのは、やっぱり相手に対する愛のせいなのだろう。そう思って満足していたら、今度は希さんが私の身体に触れ始めた。もうエンドレスだ。 希さんの愛撫は愛情に溢れた優しい愛撫だった。敏感な場所に触れられるたびに身体が震え、我慢しても自分じゃないような声が勝手に漏れ出してしまう。そして、優衣には絶対に触れさせなかった場所も許した。 「すごいね。私より感じやすい?」 「ん……。恥ずかしいから言うのやめて……」 でもお互い、さっきみたいに激しく求め合うような熱量はない。やっぱりこういう行為にも適正というものはあるらしい。でもこうやってお互いの愛情を確認し合うような緩い行為も嫌いじゃない。
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