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何気無い雑誌の広告欄に
小さくて見逃しそうな
『人殺し承ります』という文字……
何か映画のタイトルかと見間違えそうだったが、
その電話番号を控えておいた。
それは彼女を凌辱された2週間後だった。
あれから2週間経ったが静香は学校を休んでいる。
いや、もう二度と登校して来ないかも知れない。
何を言われても良いと思って静香の家へ行ったが会ってくれる事は無かった。
そのまま…どこか遠くへいってしまいそうな気がした。
やりきれなくなり、あの雑誌から控えた電話番号に電話していた。
『はい、ご用件は?』
短く力強い言葉に焦りを隠せなかった。
『あの……殺してほしい人が居るんですけど…。』
しぱらく沈黙が流れた。
『あの……雑誌の広告欄に《人殺し承ります》って有ったので…。』
『君、この事を誰かに話したか?』
『いいえ……だれにも話していません。』
『そうか……本気で言ってるのなら…話を聞こう、
しかし裏切り者は死刑だからな、
よく覚えておいてくれたまえ。』
《 裏切り者は死刑… 》
小学生の頃、ガキ大将がよく言っていた。
しかし、大人にリアルにいわれると凄みがある。
『 分かりました。
僕の人生はヤラレっ放しの人生でした。
恋人を強姦された事で殺意が涌いてきたんです。』
そこまで話さないと信じてもらえないと思った。
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