第6話

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第6話

「ノブちゃん……またお願い出来るかい?」 探偵の富田林がまた声を掛けてくる……。 俺がウンとも言わないのに続けて話し始める。 きっと俺は断らないと思っているのだろう。 っていうか……人手不足? また大悪党に違いなかった。 「………という訳で、宜しく頼む、詳細は携帯に送っておいたから…。」 俺は無言で頷く……。 ライフルを入れたギターケースを肩に担いで 探偵事務所を後にする。 少し驚いたのは…… ターゲットが豪華客船に乗っていて…… クルーズ船から それを狙うというものだった。 お互いの船が波によって揺れる……。 「距離は300メートルまで近づく事が出来る」と、 手引きしてくれるクルーズ船の船長は言う。 俺は銃座を使用する……。 スナイパーの必須アイテムだ。 この仕事の為に特別な大型スコープと ヒットさせる為のお互いの位置関係を 瞬時に計算するコンピュータシステムを使用する。 勘に頼る一昔前のスナイパーとは大きく様変わりしている。 システムに引き金を任せれば良い……。 罪悪感ともオサラバだ。 目を積むっていても当たる……とはこの事だな。 スコープでヒットした処までは確認した! 致命傷を与えられたかどうかは判らないが、 連射で5~6発は撃ち込んだからダメージは十分だろう。 俺が船長に合図するとクルーザーが進行方向を徐々に変えてスピードを上げて行った。 また富田林が用意したホテルに滞在する。 ベッドに寝転んでいると…携帯に 『連続成功おめでとう。  ターゲットは依頼主の願い通りになった。  ボーナスも入れとくな。』 と入ってきた。 ふと…… 《こんな中学生…居ないよな》と思った。
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