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おもひで品物屋の場合
店には毎日、人が来る。道にも人生にも迷っている者達だ。
この店は自分で言うのもあれだが、不思議だ。客が来て、私が店の奥へと行けば木のテーブルに客の必要な思い出がのっているのだ。
巡りに巡って私の所へ来たなんて説明をしているが、自分でもよく分かっていないのだ。
その品物を見たら、思い出の情報が体に流れ込むらしい。そして、何かしらを吹っ切って帰って行く。
いやはや不思議だ…
「まあ、君の仕業だと思うがね…百合子」
写真立てのもういない彼女を見つめ、ポツリと呟いた
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