愛しのポメラニアン

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 明くる土曜日。  多摩と中根は、さっそく奈緒の家を訪問した。なぜか奈緒の家までの道順は中根が知っていたのだが、深くは聞かないことにして、多摩は玄関のチャイムを押した。  待つこと数秒。インターホンが繋がるより先に、きゃんきゃんと犬の鳴き声が中から聞こえた。わあ、と多摩の表情がほころぶのと同時にドアが開く。 「いらっしゃい!」  玄関のドアを支える奈緒の腕の中で、ふわふわのポメラニアンがぱたぱたと動く。多摩が思わず手を差し出して 「ラミちゃん!」 と呼ぶと、ラミちゃんはきゃん!と顔を上げ、ふわふわの前足で多摩の手に触れた。
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