僕と魔女と小さな家族たち

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 朝六時、僕のお父さんが迎えに来た。  昨日の雨は止んでいて、雨の雫が、木の葉の上で朝日に光って綺麗だった。  百合子さんは玄関で僕を見送りつつ、ほんの少しだけ、不安そうな顔をした。 「大丈夫だよ、百合子さん。『俊輔』は勇気を出して、雨の中冒険に出たんだもの、僕も勇気を出して、学校に行ってくるよ」 大丈夫、大丈夫。 『俊輔』は、命がけで雨の中出かけていったんだ。 俊輔だって、大丈夫。 僕は、勇気を出して、玄関の扉を開けた。 テストの結果と、百合子さんが僕のお母さんに叱られたかは、曖昧にしておく。 でも、鳥も食べない赤い実は、以前よりずっと数が減るようになってしまったし、日当たりの良い窓辺には、時おり、小さな二人が日向ぼっこに来ている形跡がある。
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