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「お前、自分の名前、嫌い?」
「嫌いです。大っ嫌いです」
口に出してそう言うと、今までふたをしていた心の抑えがきかなくなった。
そうだ、こんな名前は大っ嫌いだ。
パパとママが愛し合っていたころに調子に乗ってつけた、キラキラネームみたいな下の名前も。
その二人が別れて私のものになった、明光の名字も。
ぼたぼたと、畳に涙が落ちた。
先生は立ち上がって、くしゃりと私の頭を撫でた。
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