序章

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 振り向くとそこには赤いシャツを着て、紫の三角帽子を被った男が立っていた。胸のところにコウモリの絵のバッジがつけられており、そこには西村と書いてあった。 「坊や、ちょっとこっちに来てくれるかな?」 「でも僕はもののけを倒さないと……」 「大丈夫。お兄さん達が退治してあげてるから。ほら、見てごらん?」  西村さんがそう言って向こう側を指差す。するとそこには別の三角帽子の男と大男が向き合っていた。大男は腰を低くして、三角帽子の男に平謝りしていた。 「ほら。あれだけ謝ってるんだから、もう大丈夫だろ?」  西村さんはそう言って僕に笑いかける。僕は渋々頷いて、西村さんのもとをついていった。
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