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エブリスタ連合直系マイソン組から多額の借金をした10歳の少年、『万馬太郎』が姿を隠した。
ヤクザ達は、万馬から金を取り立てるために死に物狂いで街中を駆け回る。
「あ! 見つけたぞ万馬ぁ! 今日こそ借金返してもらうからな!!」
「や、やべっ!」
万馬太郎は、ヤクザ二人組に見つかり、慌てて狭い裏通りを走り抜く。
二人は、万馬を追うが奴の足が恐ろしく速く、大人の足でも奴に追いつけないでいた。
「おい! このままじゃあ逃げられるぞ! 何か策はないのか!?」
「任せてください兄貴。こんな事もあろうかと先回りさせておきました」
見ると、裏通りを抜けた先には大勢のヤクザが待ち構えていた。逃げ場はなく、このままいけば万馬はなす術なく捕まってしまうだろう。
「トランスフォーム!!!!」
しかし刹那。
万馬太郎は、全身を超合金スーパーカー変身すると、そのまま勢い良くヤクザを轢き捲り、そのまま大きな道へと逃げていったのだった。
「クソまずい! 逃げられる!」
「安心してください兄貴。こんな事もあろうかと車を用意しておきました」
ヤクザ二人組は、黒塗りの高級車に乗るとすぐさま超合金スーパーカーを追いかけた。
しばらく道なりに進んでいくと、一同は空港へと辿り着いた。
「な、何ってこった! 奴め、空港に停めてある自家用ジェット機で国外へ逃げるつもりですよ、兄貴!」
「あいつ! 俺達の金でそんなもの買っていたのかよ!?」
「大丈夫です兄貴! こんな事もあろうかとロケットランチャーを用意しておきました。ファイヤーーーーーー!!!!!!」
チュゥゥゥゥーーーーーーーーーーーーードォォォオオオオオオオオオオオオオオンッッッッッッッ!!!!!!!!!!!!
正義は成された。
万馬太郎は、自家用ジェット機ごと木っ端微塵となり、そのままピクリとも動かなくなったのであった。
「やりましたよ兄貴! 遂に万馬を捕らえました!」
「いや、だがこれじゃあ借金を…………」
「問題ないです兄貴。こいつの荷物を漁っていたら馬券を見つけました。こいつで当たった金を貰っちまいましょう!」
「流石は万馬太郎。名前に恥じない奴だな。でも、その馬券当たるのか?」
*****
数日後。
競馬場に来たヤクザ二人組は、万馬から奪った馬券を片手にレースの結果を確認してみるのだった。
「やりました兄貴! 馬券が当たりました!5000倍オッズ!」
「そんなことってある!?? いや、まあ良い。何はともあれ、これで借金返済完了だな!」
「いえ、どうやらそうもいかないようで」
「んっ?」
「この馬券、100円で買ったみたいなんですよ。だから当たっても50万にしかなりません」
「…………因みに、借金の額って幾らだっけ?」
「4億」
「まじかよぉ〜」
「仕方ありません。また万馬太郎を見つけて金を取り立てましょう。噂によると、奴は前の怪我から回復した後、近場の銀行を襲って荒稼ぎしているらしいです。今なら奴の手元に山ほど金があるはずですよ!」
「なるほど。よし、今度こそ万馬太郎から全額返済だ! 俺についてこい!」
「はい!」
こうして、マイソン組と万馬太郎の戦いは続いていく。
いつの日か、全ての借金を取り立てるために、彼らは今日も邁進するのだ。
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