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幼馴染み以下省略
島沢 健、三森 賢次高校二年生。幼馴染歴年齢と同じ。
賢次は、背が高くてイケメンでモテモテ。健…俺はチビで至って普通。
同じものを食べているのに、何故こうも違うのか。神様は不公平だと思う。
その幼馴染の賢次が変なのだ。俺をやたらと構う。他の友人が、オカンみたいだと言い出すくらいまでなっていて……
確かに、昔から賢次はそうだったけど、今もジュースを買いに行くだけなのに一緒に行くって言って聞かない。
「すぐそこの自販機行くだけだって」
「健はすぐ迷子になるだろう」
「あのなぁここ学校。おまえの中の俺は、どんだけトンチンカンなんだよ」
「ほら、行こう」賢次は、俺の腕を掴んだ。
「人の話を聞けって」
原因は、多分、二年A組の女子に呼び出しされてから過保護が悪化した。
手紙を賢次に渡してくれと頼まれた。その時、断れば良かったのに……
ちょっといいなって思ってた子だったから断れなかった。やっぱり返そう。直接渡した方が気持ちも伝わるだろうし、賢次も無下にしたりしないだろう。
俺は、売店の横にある自販機でフルーツ牛乳のボタンを押した。賢次は、いちごミルクのボタンを押す。
「賢次それ好きだよな」
「たけちゃんだってフルーツ牛乳好きだよね」
「うん、まぁな…あのさ、部活の前に用があるから先行ってて」
「え、俺もついてく」食い気味に賢次が言う。
「アホか、担任に呼ばれてんだよ」
「……分かった」
賢次は、いちごミルクを飲み干し、近くのゴミ箱へ投げ捨てた。不機嫌極まりないって顔で、今来た廊下を歩いて行った。
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