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空域の制空権はまだ奪われていない。しかし時間の問題だろう。重帝国軍の空軍の展開が遅い気がするが。
タイパイ洋の海軍がまだ頑張っているのだろう。
「こちらカリジマ空軍基地の佐々木中尉です」
「バレタ対地攻撃小隊、遅れました」
「ムラサキ航空基地の寺田大尉だ。敵航空勢力の脅威は排除した」
「安心して花火を上げてくれ」
空対地支援の攻撃機が今頃来たのか。空対地ミサイルを戦闘車両に発射しているが、いかんせん数が多過ぎる。あれじゃ撃墜される。
私の機体には対地支援用の装備は無い。基地へ帰投するしかない。
「・・・今日はまだ私は生きている」
「ヒメは私とこの機体を守る為に」
「設計以上の才能を発揮するのだろう・・・」
遠く、北の方角の山間部沿い。重帝国軍の巡航ミサイルが地上スレスレで飛んでいる。迎撃は不可能だ。
朝焼けの光が綺麗にキャノピーに反射する。
「こちらキンモク・リーダー。主任務を達成。帰投する」
「おい!こら小林っ!何やってやがる!一回カシだぞっ」
「この空域は、まだ悪意に染められていない・・・」
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