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15話
「んっ…」
何度も何度も合わさる唇に、思わず声が漏れてしまう。
「陽花里さん…口、開けて…?」
至近距離で見つめられながら強請られる。
それがたまらなく恥ずかしくて、逆に唇に力が入った。
それを見て、クスリと笑った咲夜さんは、親指で何度もそこを撫でながら、視線で開けてと訴えてくる。
「あっ…」
「ん…」
咲夜さんの指に撫でられるのが擽ったくて、思わず緩んでしまった唇から、熱い舌がすぐに潜り込んできた。
優しすぎるぐらいの動きで、口の中を舌で弄ばれる。
でも、逆にそれが、じわじわと快感を迫り上げてくる。
「ふっ…ん…」
「はぁ…んっ…」
咲夜さん、キス、好きなのかな…
優しくじっくりと時間をかけられるキスに、ボーっとしてきた頭の片隅でそんなことを思った。
「んっ…はぁ…陽花里さんの顔、もうトロンとしてますね。気持ち良かったですか…?」
「だって、こんなふうにゆっくりキスされたこと、ないから…」
「そうですか…ふふっ、じゃあ、キスだけでこんなになってる陽花里さんを見るのは、僕が初めてって事かな。嬉しい…」
微笑んだ彼は、おでこに軽く口づける。
顔中にキスをしながら、徐々に移動していく唇が、耳へと辿り着いた。
耳から首筋に口付けられ、思わずビクッと体が反応してしまう。
「ここ、弱いんですか…?」
「ふぁっ…そこで喋っちゃ、だめ…っ」
「…そんな反応されたら、逆に止めれないですよ…?」
いつもは穏やかで優しいと感じる声が、今はやたらと色気を感じてゾクゾクする。
耳元で咲夜さんが喋るたびに、ビクビクと体が震えて、下腹部がキュッと反応してしまっている。
「可愛い。…陽花里さん、服、脱がせてもいいですか?」
すでに息も絶え絶えな私は、頷く事しかできない。
着ているブラウスのボタンが、一つずつ外されていく。
その丁寧な指の動きを見ながら、一気に脱がされた方が、逆に恥ずかしくないということを初めて知った。
…ゆっくりされると、ものすごく恥ずかしい。
漸く服を全て脱がされた時には、私は恥ずかしさで全身が熱くて…
燃えているんじゃないかと思ったぐらいだった。
ジッと見つめられているのが分かって、思わず腕で体を隠す。
まだ下着は身に着けているとはいっても、恥ずかし過ぎる。
「陽花里さん、腕、除けてください。隠さないで…」
「っ…だって、咲夜さんがジッと見るから恥ずかしくて…!スタイルだって良くないし…」
「どうして?すごく綺麗ですよ。」
「で、でも、男の人は、もっとこう…胸が大きくてウエストが細くて…スタイルがいい人が好きでしょう…?」
私は胸も大きくはないし、細くもない。…残念ながら。
見せるような体ではないから、出来ればあんまり見つめないで欲しい。
そう切実に願う私の目の前で、咲夜さんは一瞬キョトンとした後、何故か笑い始めた。
「何で笑うんですか…」
真面目に言ってるのに。
ちょっとムッとしていると、上から覆いかぶさるように抱きしめられた。
「陽花里さんがあまりにも可愛くて。あのね…僕は、陽花里さんだから触れたいし、見たいんです。あなたは自分のことをそんな風に言うけど、肌もスベスベで柔らかいし、ウエストも十分細いし…」
そう言いながら、スッと腰から上へと指で撫でられて、体がビクッと反応する。
「…胸だって、ほら。僕の手の平に収まって、丁度いい。」
下着の上からやんわりと揉まれて、彼の手の中で形を変えているのが分かる。
「僕は、陽花里さんだから興奮するんです。それに…誘ったのは陽花里さんの方でしょう?僕は、我慢しようと思ったのに。」
耳元で囁かれて、また体をビクビクと震わせながら、私は少し前の自分の発言を思い出していた。
…確かに、誘うような事を言ったのは私。
だって、咲夜さんともっとくっつきたいと思ってしまったから。
「だから、隠さないで、全部見せて?」
残っていた下着に手をかけられ、脱がされる。
隠すものが何も無くなった心許なさと恥ずかしさに、どうしても腕が隠すように動いてしまう。
「ダメですよ。」
だけど、完全に隠す前に、咲夜さんに腕を掴まれてしまった。
「綺麗です、陽花里さん…もうここ、ぷくっとして硬くなり始めてますね。さっき少し触ったから?それとも、耳で感じたから…?教えてください、陽花里さん…」
「やっあ…!」
耳元で問われた内容に、恥ずかしさで首を振る。
…咲夜さんが、少し意地悪だ。
そんなの、答えられるわけないのに。
尖り始めていた先端を指で弄られて、完全に硬くなってしまったのが分かる。
嬉しそうに弄りながら、もう一方を口に含まれると、下腹部が疼いて仕方がなくて、自然と下半身が動いてしまう。
「腰、動いてますよ。こっち、触ってほしくなっちゃいましたか…?」
彼の指摘に、体がカッと熱くなる。
恥ずかしさのあまり、顔ごと彼から目を逸らすと、許さないとばかりに戻される。
「ダメですよ、陽花里さん。目を逸らさないでください。」
「だって…」
「真っ赤になって…可愛い。大好きです、陽花里さん。」
合わさってきた唇の優しさに、どこかホッとしたのも束の間、彼の指が足の間に伸びて、一番敏感な場所を弄り始めた。
すでに潤っていたそこから聞こえる水音。
鋭い快感が、体の中を迫り上がってきて、無意識に体が仰け反る。
「んっ…んんっ!はっ…んん~っ」
キスをされながら、それでも漏れてしまう声。
上手く呼吸が出来なくて、段々と苦しくなってくる。
息を吸いたいのか、声を出したいのか、分からない。
体が甘く痺れ始めた頃、彼の指が中に侵入してきた。
「んんっ!」
「はぁ…陽花里さん、痛くないですか…?」
「は、い…ああっ…!」
「ん…陽花里さんの中、すごく熱くて…蕩けてて…気持ちいいです。」
ゆるゆると動かされる指は、決して激しくはないのに、どんどんと高みに昇らされる。
背筋を這い上がる甘い感覚が止まらない。
「も…だめっ…!あああ!」
限界が来て、耐えきれずに昇りつめた私を、恍惚とした表情で見つめる彼は、自分の服を脱ぎ捨てた。
細身なのに、程よく筋肉がついた体。
思わずその素肌に手を伸ばすと、彼がビクッと反応する。
「陽花里さん…?」
「あ…何かちょっと、触れたくなって…」
自分でも、大胆な行動に驚いてしまう。
「あんまり、可愛い事しないでください。ただでさえ余裕がないのに…」
ぎゅぅっと抱きしめながら、切実に言う彼。
余裕ないようには、見えなかったんだけどな…
「陽花里さん、いいですか…?」
足をそっと持ち上げながら、間に入り込んでくる。
少し緊張しながら頷くと、ゆっくりと彼の熱くなったものが入り込んできた。
「はあっ…んんっ」
「っ…」
じわじわと埋め込まれる熱に、早くと言わんばかりに中が収縮するのが分かった。
「そんなに締められたらっ…」
「あっ…ああ…!」
苦しそうな顔をした咲夜さんが、一気に奥まで入り込んできて、背中が撓る。
さっきまでの優しい触れ方とは一転して、激しく求められて揺さぶられる。
「あっ…あっ…!ああ!んっ…」
「はっ…好きです…陽花里さん。大好きですっ…」
抱き締められながら、耳元で囁かれる言葉。
熱に浮かされ、激しく貫かれている今は、言葉で答える事は出来なくて。
彼を抱きしめる事でしか、伝えられない。
「咲夜さっ…私、もう…!」
「んっ…一緒に…」
「ああっ…あっ!ああ!」
「はっ…くっ……陽花里っ…愛してる…!」
その言葉の直後、私達は同時に昇りつめた。
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