勝鬨橋

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勝鬨橋

その幹線道路に架かる橋の向こうには市場、こちら側後方にはイベントが開催される埠頭が有り、通勤時には車の渋滞、イベント開催時では人波に飲まれそうな程に混雑する。 主要な公共交通機関はバスと路面電車で、良い意味で下町情緒溢れる地域である。 橋のたもとや中央付近にある信号機が一斉に赤色を灯し、幹線道路を走行する車と歩行者に停止を促す。 しばらくすると中央付近の道路が向こう側とこちら側に分かれ、(おおぎ)が開くように道路が競り上がる。 重い道路が開く様は見る者を驚嘆させる迫力がある。 1970年11月20日(金)が最後の開閉で、今回は安全を期して45度までに留め、年一回行っていた動作点検がこれで終了となった。 万が一の事故を防ぐため開閉部分が固定され、1980年には給電も停止となり、その役目を終えた。 今も尚語り継がれる勝鬨橋(かちどきばし)、隅田川に架かる橋の中でも一際目立つその圧倒的な存在感。 この地で生まれ育った者達の心に刻まれる思い出の一つ。 子供の頃眺めた光景は、まさに天まで届きそうな勢いを身体で感じていた。
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