月二小

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月二小

その学校は川沿いの橋のたもとにあった。 父親もその学校の卒業生と知り、古臭い校舎に納得する。 校庭は土では無くアスファルトが敷かれ、陸上トラックは200m位は有りそうに思える。 一人縄跳びに大縄跳び、ドッチボールや羽根突きなど盛んに行われ、自転車に乗る為の試験もあり、合格すると免許が与えられた。 職員室近くには銀杏木(いちょうのき)が何本も空高く伸び、生徒を見守るように位置している。 校舎内の廊下は細長い形状の板張りで、歩くと軋む音がして哀愁を覚える。 幹線道路に面した校舎には()く窓が無く、明かり取りようのキューブガラスが壁に()め込まれ、当時からしたら珍しい冷房が完備された教室になっている。
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