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「ええええ!?」
あたしは仰天する。そう言われても、目の前にいるのは、あたしの記憶の中の「ユウト」の姿からはかけ離れた男の子……だけど、良く見ると、確かにあの頃の面影が少し残ってる。あたしの母性本能をくすぐる、気弱そうな表情。
「ほんとに……ユウト、なのか?」
『そうだよ……って、そんなことはどうでもいいから、早く朝ご飯食べないと、遅刻するよ!』
「!」
言われてあたしはようやく時計に視線を移し……その針が、朝飯食べたら全速力で学校に向かわないといけない時刻を指していることに気づく。
「やっば!」
あたしはパジャマを脱ぎ捨てようとして……「ユウト」がこちらをマジマジと見つめているのに気づく。
「てめぇ……レディの着替え覗くんじゃねえよ!」
ちっともレディじゃない言葉遣いであたしが言うと、
『ご、ごめん!』
あわてて「彼」は後ろを向いた。
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