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結局、「ユウト」はあたしに付いてきた……いや、憑いてきたというべきか? とにかく「彼」はあたしの高校にやってきた。教室の自分の席で授業を受けているあたしの、斜め上の空間に浮かんでいるのに、誰もそれに気づかない。
『微分?……僕の学校じゃまだそこまで行ってないよ……』
……どうやらこんな「あやかし」の類いも学校に行ってるらしい。
いや、そもそも、こいつは本当に「あやかし」の類いなのか?
一応、あたしの中では「ユウト」はイマジナリー・フレンドということで結論が出たはずだ。そして、イマジナリー・フレンドは文字通り想像の産物でしかない。ということは、こいつはあたしの脳が産みだした幻覚、ということになる。だから、他の人には見えないのも当たり前だ。
しかし、それにしては……随分存在感がある。こういうリアルな幻覚を見るってことは……もしかして、あたし、統合失調症ってヤツになっちまったのか?
なぜ?
心当たりがあるとすれば……そうだ、確かに、あたしには最近一つ精神的にショックな出来事があった。
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