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「ミリアーナ公爵令嬢、君との婚約を破棄する」
それはこの国の皇太子がそう皆様の前で宣言したのだった。
「な、何故ですか?私がいったい何をしたというのですか⁉」
私が訊ねると皇太子はハァ…っと溜息を吐いた。
「それはそなたがクレアを苛めていたという証言が所狭しと僕の元に苦情として報告が来るのだ」
(確かにいくでしょうね。根も葉もない噂が…)
そう心の中で思っていると兵士たちが寄ってきた。
「なにか?」
「フィドル皇太子殿下のご命令で貴女様を牢に二日間入れておけとの事です」
「反省しろって訳ね…。分かったわ、上等じゃない」
私はそう言うと言われたように素直に牢に入った。
別に悪いことはしてないわ。
――…そして、二日後、私は牢から出て城を後にした。
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