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epilogue
「柚月ちゃん。手繋ごう」
「いいよ」
「ねぇ、柚月ちゃん」
「なぁに」
「柚月ちゃんが全部忘れても僕は忘れないよ。今日のこと」
「私も忘れないよ。朔と過ごした時間は宝物だから」
「おやすみ、柚月ちゃん」
「おやすみ、朔」
柚月の掌から伝わる温もりに、朔の頬がついつい緩む。彼女は規則正しい寝息を立てている。僕の夢を見てくれていたらいいな。そんなことを思う。
「いつも側にいたらありがたみがなくなっちゃうでしょ? だから、今度は満月の夜に逢おうね」
朔は柚月の髪を撫で、そっと頬にキスをした。
Fin
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