1話

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「よ!お疲れー!絶対シイナいると思って!テキトーに買ってきたから飲もうぜー」 慣れた感じて、家に入って冷蔵庫にドリンクを入れたら、スーツを脱ぎ出した。 「シャワー使う?お湯抜いちゃったー」 「えー!俺来るの伝わんなかった?一応、テレパっといたんだけど!」 「そんなの、わかんないし!」 「シイナ、まだ一本目?二本目は一緒に開けようぜー。すぐシャワーしてくる!」 バタバタとバスルームに入ってシャワーを浴びてるのは、会社の同僚で、同期の牧。 男。 大学から一緒で、なぜか気が合う男トモダチ。でも、大学じゃ全然顔見たことなくて、入社してから同じ大学ってわかって、よく話すようになり、今に至る。 「あー、サッパリ!シイナ二本目もビール?」 「うん。ビールにするー。」 シャワーから出てきた牧は、Tシャツに短パン。 冷蔵庫から、ビールを二本持ってきた。 「じゃ、改めて、お疲れーっと!」 プシュッと開けると、グィーっと一口。 「シイナ、このツマミ食っていい?」 私の返事を待つ事もなく、ビールと一緒にキッチンから持ってきたお箸で、パクリ。 「どうだった?出張。」 「疲れたけど、まぁまぁ爪痕は残してきたぜ!」 「浅い傷なら、すぐ治っちゃうよ〜!」 「俺の活躍に嫉妬すんなって!」 牧とは、家が近かった事もあって、お互いの家に泊まりに行くぐらい仲良くなったけど、恋仲ではない。 親友。 でも周りは異性の親友を理解しにくいみたい。 昔は色々聞かれたり面倒だったから、 今は会社ではあまり話さないようにしてる。 けど、外では今日みたいな感じで仲良くやってる。 お互い、彼氏彼女がいた時でも変わらなかった。
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