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すっかり夜の洗濯が日課になった。
子供は寝てるし、旦那はテレビの前。
いつものようにベランダで空を見上げた。
まんまるの綺麗な月だった。
きらきら光っている。
きっと、電柱の灯や、車のライトの灯がなければ、もっと、きらきら光ってるんだろうな。
ふと、20年前の、夜を思い出した。
初めての彼。
初めて二人で一緒に帰った。
バイト終わり。
何を話せばいいか分からないぐらい、
緊張していた私。
彼も同じだったんだろう。
緊張して、自分の足を見ながら歩く私に、
彼が教えてくれた。
「今日が十五夜って、知ってた?」
「…十五夜?」
見上げた夜の空に、まんまるの月。
「きらきらしてるね。」
月明かりが、二人の緊張を解いてくれた。
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