朝の雨

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朝の雨

開け放たれた窓から ひんやりとした空気が流れ込む 小ぬか雨が 音もなく地上にふりそそぐ 草木のささやきが くり返される 鼻をくすぐる 湿気を帯びた匂い やがてそれは 鼓動をゆるやかにする 炊飯器の中 米の爆ぜる音 白熱球の 黄色く丸い明り しっとりと流れる時間に これからの期待が胸おどりだす 今はまだ 君は布団の中で あのかすかな寝息をたてているのか? 虚ろになった部屋に 花一輪 白い山百合の香りだけが 満たされる
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