あなたのいちばんのファンより

現場にて

「パソコンの画面、ここで終わってるな」

「はい。被害者は文章を書いている途中で殺害されたようですね」

「とりあえず、このファンレターを書いた奴らを徹底的に洗ってみるか」

「そうですね。とっかかりはそこからかと」

「それにしても俺にはまったくわからんな。たかが小説ごときで殺されちゃたまったもんじゃない」

「主任、それは言いすぎですよ。僕だって小説読みますが、ここは違うんじゃないかって思うこともあるし、作者に怒りをおぼえることもありますから」

「そんなもんか？ 俺には理解できない世界だな。ま、容疑者も限られていることだし、解決は早いかもしれんな」