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「貴子さん。レディー・エメラルドをすり替えたのはあなたですね?」
津田先生が優しく貴子さんに問いかけた。
「……」
「……貴子、本当なの?」
「はぁ……。津田先生には敵いませんね」
貴子さんが吹っ切れたように、でも少し困った顔で肯定した。
なんでも、小さい時にずっと欲しかったが、子供のおもちゃにすることはできないとずっと断られていたが、ある日我慢できずにこっそり持ち出して遊んでいる時にボディにヒビが入ってしまったそうだ。
母は気にしなくてもいいと言ってくれたのですが、それがずっと気になっていたのを、修復に出し明後日の清子さんの誕生日に渡そうと思ったらしい。
かつてのお父様のようにこっそりとして、修復して驚かそうとしてよく似たアンティークドールとすり替えておいたが騒ぎになってしまったと。
「実は今日、信子さんに引き取りに行ってもらっているのです」
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