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だが、話す日も同じ景色を見る日もやってこなかった。エマとは、中学校に上がるより前に離れ離れになってしまったのだ。親の仕事先に合わせて、家族で隣町に引っ越していったからだ。楽しかった思い出が多いエマとの別れは、辛いものがあった。なにせ、わたしに友達という友達はエマしかいなかったのだ。ただ、私は彼女の後ろでくっつくようにして、様子を見てきた。その経験が違う方向に活かされたのは中学に入ってからだ。
海の音が私の耳に押し寄せてくる。あのサーファーを見つけた時、コツコツコツコツコツコツと、私を邪魔するようにばらばらの足音が近づいてきた。
メインストリートに目をやると、外にまだ友達とは言えない三人が私の家の下にいた。
一人が私を見つけると、
「リア、行くわよ~」
私もその調子に合わせて
「ごめ~ん、すぐ行く」
勢いよく窓を閉めて、急いで下に向かった。家の扉を開ける時、私はニコッとして、自分に負荷をかけた。
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