白百合は見ていた

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 広場にたどり着くと私は、そっと岩陰を覗いてみた。  其処には、細かく崩れた岩の欠片が敷き詰められた山道とは違い、黒い土が溜まっている場所で、岩の陰であるおかげなのか、大雨などでも土が流されずに溜まるようになっている。其処に何故か白く立派な百合の花が一輪咲いているのを見つけた。  私が下から見たのはきっと、この百合の花が風になびいて顔を覗かせたのではないだろうかと思い安堵した。  私は百合が生えている土が堆積している場所を一度、ジッと見詰めてから手を合わせて、何事かを祈った。
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