四月の紅雨

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「青時雨、あのあやかし知ってる? 追いかけてくるんだけど、どう対処したらいいのかわからなくて」 「うむ。……穢れが酷いな」 「穢れ、か」 あやかしの全身を覆っている泥のようなものが青時雨の言う穢れなのだろう。 つまりはそれに触れるのは危険だ。呉羽は強いけれど、穢れを纏ったあやかし相手に追い払うことはできるのだろうか。 「どうしたらいいかわかる?」 「あの程度の穢れなら、今の僕でも浄化できるだろう」 「本当に!?」 青時雨も相当力のあるあやかしだっておばあちゃんから聞いたことがある。 「ああ、だが交換条件だ」 「なに?」 ただの人間なのに妖力がある。それだけの私に青時雨が欲しがるものを与えられる気がしない。そもそもあやかしが欲しがるものってなんだろう。 「僕の罪を暴き、裁いておくれ。紅花様」 「罪を暴くって……私にはそんなことできないよ。でも、私に少しでもできることがあるなら協力する」 私の言葉を聞いた青時雨は大きく頷いてから、片手を上げた。 「お助けしよう」 青時雨の指先に淡い水色の光が集まり、円形になっていく。 その塊が青時雨の身体よりも大きくなると、石段を登ってこちらに近づいてくるあやかしに向かって勢いよく投げ落とされた。 泥のような穢れはあっという間に流れ落ちていく。
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